ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.8:FJマスターズレースinもてぎ

いよいよこの時がやってきました。
毎年暮れにおこなわれる『FJ日本一決定戦』。今年は僕も地方選手権に参加していたツインリンクもてぎで『FJマスターズレースinもてぎ』が開催されました。俗に言うホームでの戦い。他のシリーズの参加者に負けるわけにはいきません。そして、もてぎシリーズに参加していたライバル達にも勝つっ!!そんな気持ちで臨みました。

12月17、18日 フリー走行
抜けるような青空のもてぎに到着し1本目の走行に備えます。
30分の走行を終えてタイムはトップから0.2秒落ちくらいでまずまずの滑り出しでテンションも自然と上がって行きます。2本目の走行はお休みして他のドライバーの走りを見に行こうと思った矢先知らない番号から着信がありました。出てみると「あなたの携帯番号で有料サイトに登録してありますが料金が支払われておりませんので¥83,000支払ってください。」悪徳業者です。「使ってません。」「使ってます。」を繰り返しテンパる自分。早速相談窓口へ電話し対応すると、なんと見るはずの走行時間が終わってるじゃないですか!『ふざけんじゃねぇ!この悪徳業者めっ!!』とテンションも急降下しましたが、なんとか持ちこたえ土曜日にニュータイヤを入れてセットを詰めてフリー走行総合3番手のタイムを出す事が出来ました。車も順調に仕上がり確かな手応えを掴んで自信をもってレースディを迎える事が出来ました。

12月19日 レース当日
かなり冷え込んだツインリンクもてぎでしたが、この日も空はきれいに晴れ渡っています。1日で4〜5セッションものレースを走るだけあってスケジュールもみっちりです。しかし入念にウォーミングアップをし走りのイメージを作り集中を高めていきます。
いよいよ第1レグB組の予選が開始されます。

第1レグ予選
気温が低かった事もあり監督から「最初からガンガンいけ!」との指示がありました。指示通りインラップからプッシュして最後の3周ぐらいからスリップストリームを使えそうなスペースを見つけてアタックします。正直今まで予選の位置取りが苦手で今回も多少不安な部分があったのですが今回はまずまずうまくいき渾身のアタックに入ります。チェッカーを受けて掲示板を見ると一番上に『10』と表示されていました。ポールポジション獲得です。
ピットに戻りタイム差を確認するとシードの甲野選手には100分の5秒程の差でしたが、他の選手には0.4秒以上の差をつけてのポール獲得でした。しかし、細かいミスなどもあったので次に向けての反省と『もっと速く走れる』という自信を持って決勝に備えます。

第1レグ決勝
久々に見る、前に何も障害物のない景色。次第に緊張感が高まります。っというより完全にアガってました。タイヤを温めようとマシンを左右に振っていきます。レースは5周のスプリントレース。ここでタイヤをより温めた人がレースを制すと言っても過言ではありません。そんな気合いが空回りし気が付くと車が完全に横を向いていました。制御不能。『キャキャーッ、ドンッ!!』「・・・・・。」完全にパニック状態。頭の中は真っ白。何が起きたか理解するまでには数秒かかり最初に頭をよぎったのは「とりあえずピットには帰れない。」しかし無情にもレースは終わり昔島田紳介氏がやっていた番組とは逆の意味でのチームメカニックとの涙の再会の時はやってきました。とにかく謝りました。すると「次の事を考えろ。」と4人掛かりで急ピッチでマシンの修復作業にかかってくれました。こんなあり得ないようなミスをした自分にただでさえ忙しい日本一決定戦で全力でマシンの修復に時間をかけてもらい本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。この日応援にきてくれたOBや友人達にも申し訳なく、もう一度チャンスをもらえたんだから絶対走りで恩返ししなきゃいけないと気持ちを切り換えました。

第2レグB組
最後尾29番グリッドからのスタートとなりました。監督から「ここで這い上がってこれないようならドライバーはやめた方がいい。」と厳しい喝を入れてもらい『自分の為じゃなくてチームスタッフ、OB、応援に来てくれた人達の為に絶対挽回してやる!』と普段から外れそうになっている頭のネジを3本くらい外しスタートを迎えます。今度は慎重にフォーメーションラップを終えていざスタート。
とにかく夢中で抜いて抜いて抜きまくります。1周目で13台抜き、2周目で10位まで上がりとにかく行けるところは全部抜きにいきました。そんな時5周目にコース上にオイルが出た為赤旗中断となります。その時6位まで上がっていました。
残り3周で再スタート。
スタートに集中してクラッチミート。絶好のスタートを切り1コーナーまでに2〜3台抜き1周目のヘアピンで先頭の小林選手が小さなミスをし、2位の早川選手がぴったり張り付きました。自分も隙を逃さず2台の後ろにぴったりつけていきます。早川選手が小林選手のイン側に飛び込み、自分もすかさずそのイン側に飛び込みました。3台横に並んでブレーキング。真ん中の早川選手が最初に引き小林選手と勝負。90度コーナーの進入で前に出ました。これで遂に28台抜いてトップへ。しかしそんな喜びも束の間、次の5コーナーで小林選手がブレーキトラブルから止まり切れず僕のマシン後部へヒット!なんとかスピンは免れコーナーを立ち上がります。正直『ここまでか・・。』と思いましたがマフラーがとれかけただけで足回りにはほぼダメージはなく残り1周半祈るような気持ちで走りきり見事(自分で言う)に28台全車を抜いて第2レグ優勝!!これで少しはみんなも許してくれたんじゃないでしょうか?
メカニックの皆さんがいい車を用意してくれたのもさることながら、人間の火事場の底力っていうのはすごいものだなと思いました。

ファイナルレース
怒濤の追い上げのお陰もありなんとか2位グリッドからのスタートとなります。とにかくこのレースで勝つ為に今まで頑張ってきました。何が何でも負けるわけにはいきません。ポールスタートは甲野選手、3番グリッドは松原選手。いよいよスタートです。
レッドシグナル消灯で一気にリヤタイヤにトラクションをかけてグングン加速していきます。自分のスタートは良いスタートだったと思ったのですが甲野選手も抜群のスタートを決め、ポジションは変わらず1コーナーへ入っていきます。松原選手までの3台で4位以下を引き離していきます。序盤冷えてるタイヤではこちらの方が速い感じなのですがなかなか仕掛ける事が出来ずレースは硬着状態で進みファイナルラップへ。3コーナーで甲野選手が立ち上がりで少し乱れたのでそこでぴったりとつけ5コーナーのブレーキングでインを突きましたがブレーキングで止まり切れず2台揃ってアウトいっぱいまではらんでしまいました。その隙に松原選手が悠々とインから抜いて行きます。その後の90度コーナーで甲野選手にも抜かれてしまい3位でフィニッシュ。
勝つ事が出来なくてすごく悔しくてマシンを降りると同時に涙が止まらなくなってしまいました。やっぱりチームの為にも勝ちたかったのでその点はとても悔しかったです。でも、FJ最後のレースで力を出し切った気持ちいいレースが出来たので良かったと思います。悔いはありません。まだ来シーズンの活動は決定していませんが、また今回のような素晴らしいレースをしていきたいと思います。

あと今回本当に感謝する人がたくさんいます。この場を借りてお礼させて頂きます。ほんとうにありがとございました。これからも厳しいご指導よろしくおねがいします。



←前のページへ戻る

□■ 安達元気 □■
生年月日:1983.3.10
血液型:RH+O

2003年
FJ1600東北シリーズランキング5位
2004年
FJ1600東北・もてぎシリーズ参戦








ドライバーオーディションスペシャルサイト


ZAP SPEED MAINTENANCE FACTORY (ZMF)

ZAP SPEED Jr.(ザップスピードジュニア)

メールマガジン

チーム員専用ページ

ZAP SPEEDのスタッフがあなたの疑問にお答えします




Copyright © ZAP SPEED.All Rights reserved.


Created by Sidepond advance