ZAP SPEED RACING TEAM





VOL.14:レース資金について

資金的に行き詰まる多くのドライバーの原因は、考えの根本がレーシングドライバーとして適当でない場合がほとんどだ。そもそも、レーシングドライバーを目指すと言うので有れば、社会的に見れば自営業者となると言う事なのだが、それも理解していない様では全く落第である。

資金的に行き詰まったドライバーが言うのはこうだ
「バイトを増やさなくては練習をこれ以上増やせない」
「バイトが忙しくてスポンサー獲得の為の活動が出来ない」
「スポンサーを得るより働いた方が手っ取り早い」
「ボンボンはいいよなー、働かずにレースが出来るんだから」
こういった話を聞く際何時も「うんうん」と聞いているが、正直言って最悪だ。こういった言動を当たり前と思っている(自分の考え方が誤っている事に気付かない)ドライバーの成功率は、限りなく0に近いと思うと同時に、非常に醜く見える。

先ず自分の馬鹿さ加減に気付いて欲しい。
バイトを増やして行って限界まで働いたとしていくらになるのかな?
19時間働いたとしても、健康を害するだけで所得は莫大に増えるものでは無い。
君はプロレーシングドライバーを目指しているのでは無いのか?
今の君の延長線上にプロドライバーの姿が浮かぶのか?

確かに1万円のスポンサー(FJレベルでは寄付金と言った方が現実に近いね)を獲得することに比べれば、バイトをした方が早い。800円の時給なら12.5時間だからね。準備やアポ取りや説明等々12.5時間で1万円のスポンサーをとるというのはなかなか難しいね。だからといって「バイトした方が早い」というのは明らかに間違えだ。自分の支援者・協力者を得たドライバーの1万円はレース結果を出すことによって持続しても、バイトで得た1万円は使えばそれまで。また新たな資金の捻出のためにバイトすると言うことになる。どっちがプロにつながる資金の得方だろうか?
ここで間違えて欲しくないのは、他人を頼り、甘えて、自分のレース資金を集めると言う事とは違う。実際やってみれば分かるだろうけど他人に資金提供を受けると言うことは非常に難しい。バイトで稼ぐよりは、ある意味『当然』大変な事なのだ。

君が世界の頂点を目指していて、その第一歩を踏み出そうとしている。成功する確率は誰にも分からない。現在F-1で走るドライバー達がモータースポーツを開始した直後と今の君は何が違うというのだ。生まれたばかりの赤ん坊の未来が分かる人が居るのか?その君に投資をして貰い、君は投資に応える。トップドライバーになった場合のみ出資者にリターンが有る。ハイリスク・ローリターンだ。しかし、最初からお金を目的に投資をするならモータースポーツへ投資する人はいない。金融商品と違いリターンの最も主な物は『喜びを分かち合える事』だ。

モータースポーツの特に底辺カテゴリーの支援者は、
『日常に無い達成感をもたらしてくれる』
『自分に出来なかった夢を変わりに実現してくれ』
『毎回のレースに筋書きの無いドラマが有り、それに参加出来ることが楽しい』
『頑張ってる若い連中を見ることが理屈じゃなく気持ちいい』
と言ってくれている。

人それぞれだけど、何かしらの満足感を得ているから支援してくれている。『最初はなんだか分からないけど熱意だけ感じられて少しだけ援助してあげたけど、今はこっちも本気。一緒に勝ちたい』と言う方もいる。つまりこのリターンは、一般的な日本人には余り価値を見いだしてもらえない分野かも知れない。確かに欧米に比べて、モータースポーツを囲む環境の違いは感じるけど、日本にだってこういった大人(若者の視点より上に立って暖かく見守ってくれる、気持ちに余裕の有る人達)が支えてくれている事実も有る。もっとも、ドライバーの方は日本にいなければ海外に行ってスポンサーを獲得してくる位の気持ちも欲しいが・・・。

バイトによって最低限の生活と最低限のモータースポーツ資金を捻出する必要は確かにあるのも分かる。でも、金額じゃあない。
君がサーキットの上で成功したときにともに喜んでくれる協力者を数多く得てください。プロドライバーを目指すのならそれこそが築かなくてはならない資産だ。

先ずは托鉢の行をするつもりで。

p.sドライバーの人で、托鉢が分からなかったら調べてごらん。広辞苑とかで簡単に調べるんじゃなくて坊さんの説教でも聞いて本当の意味って言うか、意義に付いて聞いて来るといいよ。



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□■ 笹川健志 □■
マネージメントディレクター。チーム運営に手腕を振るう。自分がレースするはずだったのが、いつの間にかレースを目指す若い連中の面倒を見る事に…。内間監督と供に「一蓮托生」理想のチーム創りを目指します。 理想のチーム作りと言うのは皆さんの理想をかなえること。「自分達の時代にもあったら良かったのに!」っていうチームを創る事。 チームが徐々に理想に近づいてゆくのが生き甲斐です。







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