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VOL.25:スカラシップは欲しいけど…

スカラシップ(奨学制度)が近年整備されて来ているが、これはドライバーにとって大変有り難い傾向だ。

FJにはF-4のスカラシップがあり、日本一決定戦で優勝するとF-4マシンが一年間貸与され、1年分のエンジンOH代が負担され、レースウィークの金・土・日曜日のメンテナンス代まで支給される。他にも、FT(フォーミュラートヨタ)やFD(フォーミュラードリーム)もF-3スカラシップが用意されている。

しかし、スカラシップに甘えていてはいけない。
甘えというのは依存しすぎてはならないと言うことだ。

本来、ステップを踏む理由は、ポテンシャルの低いカテゴリーから始めた方が限界を知ることが容易に出来るし、車の物理的限界付近で安定して走行出来る様になってこそセッティングと言う事の意味が有る。最初から限界の高いマシンを使用すれば、その領域が遠くなるし、限界の低いマシンでもその領域に行き着けたドライバーは、マシンの性能が上がってもそこへ行き着くまでのプロセスを知っている事となる。さらに、レースについても同じレベルの人の中で頭ひとつ抜け出てこそ、次への切符を手にする資格が有るという物だ。
以上が、運転技術を中心にしたもので、何処のチームでもこのような話はしてくれるであろう。

だが、それ以上に大切な事を忘れてはならない。
フォーミュラーの最初のカテゴリーにFJが存在するが、FJは唯一一般の平均的所得の人が開始できるレベルの費用のカテゴリーだ。そのスポーツの一歩目を踏み出す際にはどんなスポーツでも自己投資によって開始する事になるが、モータースポーツでも一歩目は自己投資によって、このスポーツで通用することを証明して初めて、支援者の協力を要請することが出来る。そして、ステップアップするに必要な資金も調達可能になり、その延長がプロとなる。このプロセスに対して、スカラシップによってステップアップする事を「怠け」にしてしまっては、スカラシップ期間の終了と同時に窮地に立つこととなる。このプロセスを怠けずスカラシップを生かして初めて大きな恩恵を生かすこととなるのだ。
スカラシップはステップアップの特効薬では有るが、プロへの道のりの特効薬では無いと言うことを忘れない事が大切。獲得する以上スカラシップを最大限生かさなくては、スカラシップに協賛してくれる企業や、スカラシップ設立に奔走してくれたドライバーの理解者に申し訳ないと思って欲しい。

さあ、今年も頑張ってスカラシップを獲得するぞ!



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□■ 笹川健志 □■
マネージメントディレクター。チーム運営に手腕を振るう。自分がレースするはずだったのが、いつの間にかレースを目指す若い連中の面倒を見る事に…。内間監督と供に「一蓮托生」理想のチーム創りを目指します。 理想のチーム作りと言うのは皆さんの理想をかなえること。「自分達の時代にもあったら良かったのに!」っていうチームを創る事。 チームが徐々に理想に近づいてゆくのが生き甲斐です。







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